本:測りすぎ - なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?

https://www.msz.co.jp/book/detail/08793/

(本の内容と自分の感想がまざっててわけわからん感じになってる、、ごめん!)

「測定できるものは改善できる」あるいは「測定できないものは改善できない」に代表される測定すればええやろというモットーがどんだけ間違ってるかを歴史から学ぶ。翻訳は学術書でおなじみのみすず書房、ビジネス書とか違う雰囲気。

「測定できるものは改善できる」ってあってるときもあるけどデメリットでかくねというのが主題。 数値目標を達成するため躍起になりすぎて本来の目的からずれてしまうことの多さよ。例えば。

  • 成功率を下げないために難しい症例をさける上級外科医。
  • 共通テストの点数が下がると学校が閉鎖れるため(最悪すぎだろ)、テスト前にすべてをテスト対策にあてる学校。
  • 緊急病棟で待ち時間が4時間を超える病院に罰則を与える政策を採用。結果、患者を救急車に乗せたままで確実に4時間以内に診察できるまで外で待たせておいた病院。

最初の例、普通に俺らじゃん、、、ソフトウェアエンジニアでもある、地雷案件をさけるシニアエンジニア、汚い仕事をしない花形製品開発部門。耳がいてえ、、、大きい会社はそういうのも加味した評価になってるんでしょうが。シニアなのにリスク取ってないよね?みたいな。

歴史から学ぶ、とは。作者が歴史学者ってのもある。科学管理法っていうので数値で管理し始めたのは(産業革命もあったし)イギリス人だが、アメリカで流行らせたのはHBS教授だったマクナマラだった。おいおい、マクマナラってケネディ政権下、ベトナム戦争時の国防長官で、the best and brightest だよ!(ハルバースタム著)で、そのベトナム戦争も死者数ってのを測定基準(最悪のKPI)にしてた。死者数によるとアメリカは勝っていた的!、実際は違うわけですが。。。てか、the best and brightest もその話してくれたらいいのにな!そこまで(根をたどると科学的管理法)の洞察はないわけだ。ベトナム戦争は実際は敵の戦いつづけようという意思をくじかないといけないわけだが数値化できるんやろうか。。 このトレンドによってアメリカ企業のトップたちが、会計(これもデータや、しかもすげー切り取った!)とか数字屋のようなプロ経営者にとってかわられたという。なるほどなー!これ1960年代ね。経営を科学にかえようってこれ、イノベーションを科学しようみたいなCristen教授とかとかぶるというかHBSのノリに近い。 マクナマラはフォード会長だったわけだが、そういったプロ経営者たちの会社GMやフォードが、トヨタとかホンダとかTeslaに殺されるのはそりゃそうや。しかし、プロ経営者がやってきてうまく言った例あるんやろうか。IBMはぎりぎり延命なのかもだが。

ビジネスへの悪影響。長期的なことをせずに短期的なことしかせん。てかあれや、四半期ごとの報告もよくねえーーっていう。長期的なビジョンの重視という意味でAMZNとか頭抜けてるやつ。

プリンシパルエージェント理論。依頼人と実行者が別の場合、ちゃんと実行してもらうためにうまくインセンティブを与えようね~って理論。無批判にとりいれやがって怒。インセンティブの与え方めっちゃむずいぞ。

測定基準の魔力に取りつかれた管理主義~。嫌すぎる。スプレッドシートとダッシュボードばっかりみてる管理者…。雇用者と顧客の声をきいてくれ!Elon Muskも言ってました。

測定、説明責任、透明性は時代の要請、右も左(めずらし!)も望ましいと思ったとのこと。 このせいでペーパーワークが増えており、やっぱり本来の業務から疎外される。たとえば数字をよく見えるように紙を作ったりね。大学の先生のペーパーワーク、委員会仕事の大変そうさ。いいところ、ひどすぎる先生とか医者は排除される。でもさー。

ビジネスへの影響。製薬業界、売上をあげると莫大なボーナスが保証されるCEOは短絡的な値上げに走る。値上げされて困るのはその薬を必要とする人、くそすぎるーーー。モラルハザード!!!そういう感じで、短期的ことしか考えんくなる、、、 上からの測定はモラル・やる気に影響する、、測定基準をハックするモチベと職業倫理との対決。

重要なことがすべて測定できるわけではないし、測定できることの大部分が重要ではない。もっと多くのデータを!となるが、そのための労力、時間が追加される。データを集めるための作業!本来の仕事をやらせてくれ。 そしてその測定実績にたいしてインセンティブが与えられるようになるとさらに最悪になる。数字いじろうとするよねっていう。あとイノベーションとクリエイティビティが失われるし、、、書類仕事ってことです。外的要因より内的要因のほうが重要よね。お金じゃないんだよ!

測定しよ!ってなるとだいたいおこること、 一番簡単に測定できるものしか測定しない、成果でなくインプット(労力とかね)を測定する、、、 で、おこる反応は、 上澄みすくい(楽な奴だけやる)、基準を下げる、データを抜いたり数字を改善する、不正行為。

なんか書いてたけど暗い気持ちになってきた…。最後どうしたらいいかの提言もあります。